内容紹介
1963年、朝日新聞社1千万円懸賞小説公募で三浦綾子著「氷点」が見事入選した。三浦綾子は、北海道旭川市のごく普通の主婦でクリスチャン、小説のテーマが「原罪」であったことに人々の関心が集まり空前の「氷点ブーム」が起きた。以来、三浦綾子は次々と新作を発表し、最も人気のあるベストセラー作家として圧倒的多数の愛読者を獲得した。1999年10月12日77歳で召された時、三浦綾子記念文学館初代館長・高野斗志美氏は、次のような哀悼の言葉を表した。「私たちの時代は、人間への限りない優しさによって魂の深い奥行きを生み出すことのできた、このようにも純粋な作家を再び持つことはあるまい、とさえ思う」と。1991年春に旭川の教会に転任したことを契機に三浦光世、綾子と親しい交流をもった著者が、三浦夫妻に起こった驚くべき出来事を回顧して三浦文学の魅力と底力の秘密を解き明かした本書は、コンパクトながら三浦文学ファン必読の書と言えよう。
目次
まえがき
(1)三浦夫妻との出会いと交流
(2)三浦夫妻と旭川めぐみキリスト教会
(3)旧宅解体と保存運動の渦の中から
(4)その魅力の理由
(5)三浦綾子さんと星野富弘さん
(6)三浦綾子記念文学館の完成
(7)人々を魅了する小説『塩狩峠』
(8)八柳秘書の死と塩狩峠記念館の完成
(9)三浦綾子さんの晩年の祈り
(10)三浦綾子さんの死の衝撃
(11)綾子さんを支え続けた光世さんの悲しみ
(12)光世さん、75歳からの新出発
(13)三浦綾子読書会の誕生と広がり
(14)テレホン伝道から本3部作の出版が実現
(15)もう一人の「秘密兵器」の登場
(16)「キリストのあほう」になった人
(17)光世さんの晩年の祈りと静かな最期
(18)三浦光世・綾子夫妻の素顔
あとがき
著者について
1948年、北海道室蘭市生まれ。明治学院大学、聖書神学舎卒業。横浜市のシャローム福音教会(旧・元石川神の教会)副牧師、千歳福音キリスト教会、旭川めぐみキリスト教会牧師を経て、2013年から札幌市の屯田キリスト教会(JECA)協力牧師。三浦綾子読書会相談役。
著書に「北の国の旅人」「人生の先にある確かな希望」(イーグレープ)
「三浦綾子100の遺言」「三浦綾子100の希望」「三浦綾子さんのことばと聖書100の祈り」(いのちのことば社)「聖地の旅人」「終わりの時代の真の希望とは」(個人出版)