内容紹介
字幕翻訳考
私は1977 年2 月に、ワーナー・ブラザース渉外部長(のちに製作総支配人を経て製作室長に改称)になってから2008 年3 月退職までの31 年間、そして退職後も今日に至るまで、" 字幕翻訳" というものに取り組んできました。とりわけ次の3 つの分野において、最大限の可能性に挑戦してきましたが、それはおそらく生涯にわたって続けられると思います。
(1)よりよき翻訳の提供と翻訳者の養成:プロの翻訳者の方々に翻訳業務を依頼し、彼らと協力して最良の字幕翻訳を提供するよう努力すると共に、新しい翻訳者に翻訳のチャンスを提供し、かつ字幕翻訳学校で、よき翻訳者の養成に微力を尽くしています。
(2)字幕文化の確立:映像字幕を、一つの“ 文化” として捉え、正しく美しい日本語表現の場として、日本人観客の皆さんに提供できるよう努めました。
(3)正しい聖書・キリスト教の紹介:私はワーナーに入った翌年に、キリスト教信仰を持ったので、以来、正しい聖書とキリスト教知識を、字幕を通して日本人の方々に伝えることができるよう、祈りつつ仕事をしています。
目次
第1 部 ワーナー映画と共に過ごした半生‥‥‥‥‥‥‥‥‥
東北の片田舎の映画少年
あこがれのワーナー映画に入社
製作部で本格的に字幕製作に関わる
字幕入りプリントができるまで
字幕翻訳者の仕事
タイトルカードと字幕文字の話
プリント大量生産時代
ビデオ時代に入る
吹替版製作
第2 部 字幕翻訳考‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
よりよき翻訳の提供と翻訳者の養成
字幕文化の確立
正しい聖書・キリスト教の紹介
良い字幕とは/映像翻訳者を目指す者はまず正しい日
本語の使い手になれ/字幕文化考/映像翻訳 クイッ
ク紹介/映画会社が翻訳者に望むこと/今、クライア
ントが求める映像翻訳者像/私の映像翻訳の学びは字
幕製作の“ 現場” でした
第3 部 思い出のワーナー映画 半世紀‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
ワーナー・ブラザースという会社
戦前のワーナー映画
戦後のワーナー映画
―代表作125 本 とっておきのエピソード
ワーナー映画と共に半世紀(代表作125 本リスト)
終章 生涯現役 − 万年映画青年の夢は果てしなく‥‥‥
索引
著者紹介
小川政弘(おがわ・まさひろ)1941 年9 月8 日 岩手県釜石市生まれ。
1961年9月〜2008年3月ワーナー・ブラザース映画会社在職。総務部長を経て製作室長として定年退職(46 年半在職)。在職中、約40 年にわたって、2,000 本を超える字幕・吹替版製作に従事。
「ハリー・ポッター」「マトリックス」「リーサル・ウェポン」シリーズ、「JFK」「ラスト・サムライ」「硫黄島からの手紙」二部作等を監修。自身も「偉大な生涯の物語」「ソロモンとシバの女王」「イングリッシュ・ペイシェント」「老人と海」など、45 本の作品を字幕翻訳。1995年〜 字幕翻訳者養成学校「映像テクノアカデミー」講師として字幕クラス、聖書・キリスト教、法律専科クラスで教える。
著者について
1962年8月 キリスト教放送団体PBA(太平洋放送協会)のラジオ伝道「憩いの窓」(尾山令仁牧師メッセージ)で入信。《家族のクリスチャン》 弟正明・圭子夫婦、長男正太
郎・ゆり江夫婦、義弟登(たかし)・栄子夫婦(いずれもクリスチャンホーム)。母ハナ、妻の母シサミ、いずれもクリスチャンとして召天。1962年11月18日日本バプテスト教会連合東京中央バプテスト教会横山武牧師より受洗。同教会教育主事、CS 中高科教師、財務担当役員(1997 年4 月〜)1975年11月〜 FEBC(半年間)からPBA/KTWR 短波放送(25 年間)、2001 年〜インターネットで放送伝道「この指とまれ」主宰(ディレクター)。
2010年8月〜 PCF(PBA 放送伝道同労者会)委員。「聖書で読み解く映画カフェ」ナビゲーター。2014年1月〜 伝団協(伝道団体連絡協議会)加入。2015 年〜財務担当役員。
2015年1月〜2016年12月(2年間)キリスト教月刊誌「百万人の福音」に「聖書メガネで映画を見れば」連載。1999年12月〜 超教派聖書頒布団体「日本国際ギデオン協会」東京足立支部会員。2016年9月〜 同上広報活動検討委員・翻訳チームリーダー