目次
はじめに
第一章 出会いは財産
第二章 大切なこと
第三章 愛の中に
第四章 たくさんのありがとう
あとがき
推薦のことば
聖協団上田キリスト教会 福島晶子
一つのことをずっと続けていくことは簡単ではありません。しかも一つだけでなく、四つも五つも同時に追求して深め、発展させていくことは尋常なことではないと凡人の自分には思えます。更に、その一つ一つに心を込め、決して手を抜かず、何とかしてより良いものを生み出そうと熱心であり続けることは、もはや人の業ではありません。疲れてしまうからです。疲れるとつぶやきが滲み出るようになり、やがて溢れ出すようになります。歩めば歩
むほど疲れる人生ならどこにでもあります。しかし、これほどの熱意と一心で、進めば進むほど感動と喜びが湧いてくる人生にはわけがあります。
尚子さんは自分の弱さと愚かさを知っている方です。そこには素直な葛藤があって、それを砕かれる全能の主が共におられるのです。彼女が「ただお一人」と依り頼む真実な主です。そこにこそ彼女の強さと知恵があるのでしょう。
蒔いたものが生えることは誰でも知っていますが、彼女の周りに集まっている全てが彼女の蒔いたものであって、またその刈り取りの特権を楽しみながら味わっておられるように見えます。尚子さんの近くにいる一人となって八年、彼女の周りにいる人が少しずつ、しかも確実に、よりその人らしく変えられていく不思議で素晴らしい事実を見てきました。一人また一人と、主なる神が彼女に介入して変えておられるのです。
その人がどこに人生の根を下ろしているか、どんな命につながっているかによって、その人から受ける影響は変わります。死に打ち勝つよみがえりの命につながった尚子さんのこのような日々からたくさんの作品が生まれ、また四年ぶりにこの一冊が生み出されました。確かな命に深く根を下ろした彼女の日々、そこから発信されて便りとなったこれらのページに、きっと数々の「ありがとう」が集まってくることでしょう。
―春らしい陽射しの午後、「ギャラリー麦の家」の静かなテーブルで、心尽くしの美しい膳が生み出される厨房の音を聴きながら―
レビュー
さて、この『麦の唄が聞こえる』の第四集目を出させていただくにあたり、私の日々の物語は、人生の集大成とならせていただけることに感謝を申し上げたい。たくさんの素敵な人達に会わせていただき、一緒に泣いたり笑ったり。祈ることの出来る特権をいただいている私は、何と平安な日々を歩ませていただけた者なのだろうと思う。
いつも助け手が与えられ、決めたら真っしぐらに進んでしまう厄介な私を、さりげなく定位置に戻してくださる優しい人達に囲まれ、不本意さを押し通す我儘な私を受け止め、許してくださる隣人がいる。そしてそれ以上に神様がいつも助けてくださって、輝かせてくださっているのだ。私は何をお返しすることが出来るのだろう。私のこの地上でいただいている命の日々を、神様に存分に用いていただけたらどんなにか嬉しく喜びになるだろう…。
この四集目にあたり、いつもいつも私の一番近いところで励まし、助け手になってくださっている聖協団上田キリスト教会の牧師夫人の晶子さんに推薦文を書いていただいた。「麦の家で尚子ちゃんが働いているところで書かせてもらうね」と、お忙しい、お疲れの中、時間を作って爽やかな優しい笑顔で書いてくださった。
お隣でコーヒーを美味しそうに飲みながら夫人を見守る七郎牧師の姿を画文にしてみたいと思う程、癒されるひとときをいただいた。
またこの本を完成するにあたり、私の画文集に登場してくださったたくさんの主人公様にお礼を申し上げ、そしてこの小さき者のつたない一冊の画文集『麦の唄が聞こえる』のページをめくってくださったお一人おひとりに、心から感謝し、主の祝福がありますようにと祈りつつ。
平成二十九年七月 及川尚子
著者について
及川尚子(おいかわ・ひさこ)
19歳の時、洗礼を受けクリスチャンとなる。長野県佐久技術専門校洋裁講師を経て、現在、公民館活動を含め8カ所で洋裁講師を務める。信州美術会員で陶芸家。
1999年 「ギャラリー麦の家」を建て、春と秋 年2回の展覧会を開催。
2001年より「懐石料理 麦の家」を経営。
2007年 VIP主催で「出会いは財産」の講演を行う。佐久総合病院にて数回の
個展を開き、来場者より大きな反響をいただく。新聞では、年何回か紹介される。
2008年 信濃毎日新聞社より第一作目『麦の唄が聞こえる』を発行。
2010年 イーグレープより第二作目『麦の唄が聞こえる』を発行。CGNテレビ「本の旅」の番組に出演。
2013年9月25日の誕生日に、第三作目『麦の唄が聞こえる』を発行。CGNテレビ「本の旅」の番組に出演。
2017年 再三、9月25日の誕生日に第四作目『麦の唄が聞こえる』を発行する運びとなる。